夜、老人たちが寺院に集まってきた:ネパール パクタブル
2009年 12月 31日
パクタブルのトウマディー広場(”このサイト”に行くとこの広場の景色がヴァーチャルで見られます)
それから時代が止まってしまったかのような中世のたたずまいがここには残っている。
ネパールで感じるのは宗教が人々の生活の一部になっていること。
何も特別なことではなく、あちらこちらにいる神様に対し、毎日ご飯を食べるのと同じようにお祈りをしている。
だんだん日も暮れてきた。
宿泊しているゲストハウスの窓からはすぐ目の前にこのヒンドゥー教のバイラヴナート寺院の三重の屋根が見える。
日が落ちてから一人でゲストハウスの部屋の中にいると、観光客の話し声ではない抑揚のついた低い声が聞こえてくる。
あわててカメラを持って外に出てみると、先ほどまでは誰もいなかったバイラヴナート寺院の軒下に、年寄りたちが集まっている。
彼らが詠っているのはヒンドゥー教の宗教歌 パジャンである。
歌にあわせ太鼓や鐘も厳かに鳴り響いている。
年寄りたちはランプの炎の周りに車座になって座り、
わずかな光の下で何十年と使い引き継がれてきたであろう時代物の歌の本をめくりながら詠う。
ここでストロボを使うのは失礼だと思い、ISO1600にして息をこらえながらシャッターを押していると、一人の老人が私に手を振っている。
迷惑だから撮るなと言っているのかと思ったが、どうもそうではないらしい。
こちらへ来て座れと手招きをしているようだ。
頭を下げ、靴を脱いで板張りの床に座ろうとすると、老人たちが私の座る席を空けるために少しずつ詰めてくれた。
私が座ってからも、老人たちは特に異邦人の私を気にするわけではなく、何事もなかったかのように先ほどからのパジャンを詠っている。
詠うことが出来ない私はじっとしてその歌を聴いていた。
厳かな歌声の響きと、異邦人の私をごく自然に受け入れてくれるここ人々の気持ちに、何かとてつもなく大きい真理を感じたような気がした。
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今年は私にとっては大きな節目の年になりました。
今までその年を振り返ることなどほとんどなかった私ですが、おそらく2009年は私にとって一つの変曲点になるような気がします。
今年もブログにお付き合いくださった皆様、更にコメントを書いていただいた皆様
ありがとうございました。
来年が皆様にとって良い年でありますようお祈りいたします。
by travel-arrange | 2009-12-31 15:03 | ネパール パクタプル | Comments(2)
今年も、スクンビット様には、随分はげまされ、助けられました。
「ネパール」にしろ、「御成門界隈」にしろ、何か因縁のようなものが見え隠れしていて、気味が悪いくらいです。
来年も、懲りずに、なにとぞ宜しくお願いいたします。