スクムビット ソイ33/1
2014年 09月 09日
すぐにタニヤを思い浮かべる方は、タイ通の旅人。
スクムビット33/1を思い浮かべる方は、バンコクで駐在したことがある方でしょうね。
ここスクムビット33/1。
日本人駐在員ご婦人のお買い物の場、フジスーパーがあるところなんです。
バンコクで何か事件が起こると、在住者へのインタビューはたいていここで行われます。
フジスーパーが先か、他の日本人用のお店が先かは定かではありませんが、日本語の看板が氾濫しています。
長野のおやきをバンコクで売っているなんて!日本でもデパートの催事場でも行かないとないぞ。
バンコクで大きく展開するらあめん亭もここにもあります。
焼き立てパン屋さん、カスタードナ ナカムラ
なるほど、こうして見ていくと、どこでもありそうだけどバンコクではなかなか手に入らない、日本人の必需品がわかります。
日本語の本屋さんは必需品ですね。
深夜特急の沢木さんのように李賀の漢詩詩集一冊でバンコクを過ごすわけにはいきませんから。
この空手の桜道場、小さい子が通っているようで白い道着を着た子供がお母さんに連れられて来ていました。
バンコクにはムエタイ道場ならたくさんありそうだけど、日本人ですからやっぱり空手です。
あれ、下にムエタイも教えるって書いてあった。
ところで、深夜特急1の中で香港の物乞い(かつてロンドンに留学していた元エリート)が、路上で記した漢詩が出てきます。
炎炎夏雨〇〇愁
肺病呻吟幾度秋
昔日書生吟勝地
今宵老残曳街頭
しかし沢木さんは〇〇以外の部分はすぐに覚えたのに、どうしても〇〇がわからなかったと書いている。
このことについてWEBで質問した人がいて、それに答えた方がすごい分析をして答えていたのを見つけました。感動モノの答えです。
・「〇〇」には日本人(沢木さん)にとって覚えにくい字が入る可能性がある。
・物乞いは漢詩の決まりごとを理解したうえで漢詩を詠んでいる。
・物乞いの詩は七言絶句である。
・七言絶句の構成は起承転結であり、承句は起句の内容を受ける。
・物乞いは窮状に苦しんでいる。
・「〇〇」には数詞と量詞という組み合わせが入る可能性がある。
・「〇〇」には「幾度」よりも程度の低い語が入る可能性がある。
そしてこの方の推理した最終回答は、
炎炎夏雨万斛愁 炎炎タル夏雨、万斛(バンコク)ノ愁(ウレヒ)
肺病呻吟幾度秋 肺病ミテ呻吟スルコト幾度(イクタビ)ノ秋(トキ・アキ)
昔日書生吟勝地 昔日ノ書生、勝地ニ吟ジ
今宵老残曳街頭 今宵ノ老残、街頭ニ曳(ヒ)ク
おそらく詩の意味するところは
暑いさなか降りしきる夏の雨は、はかりしれず私を思い悩ませる
肺を病みながら詩を詠み(呻き)、どれほどの歳月を経たことか
昔、学生だったころは景勝地に赴き、よく詩をものしたものだが
今やこの街で老体を引きずるありさま(この窮乏を救ってほしい)
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by travel-arrange | 2014-09-09 21:43 | バンコクの風景 | Comments(4)
クリック拝読して感動しました
七言絶句だけは覚えていましたが
漢字の詩にこれほどたくさんの決まりごとがあるとは
そしてこの回答者さまの丁寧な文章
スクムビットさまもよくぞ見つけられました